ふっ素樹脂 PTFE処理防塵固化材 技術資料(令和5年10月改訂版)
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(3) 巻き上げ粉塵の発生について(生石灰系固化材) 生石灰および生石灰複合系ふっ素樹脂 PTFE処理防塵固化材の改良工における土との反応性は、一般の生石灰(JIS規格品)および生石灰複合系固化材と遜色なく、土質安定処理効果も同等の効果を発揮します。 「ふっ素樹脂 PTFE処理防塵固化材」の散布時における粉塵は、防塵処理の効果により殆ど発生しませんが、「生石灰および生石灰複合系ふっ素樹脂 PTFE処理防塵固化材」を散布した場合は、生石灰が土に添加されることによって、土中の水分と反応を起こし、消石灰が生成されます。この反応で土中水は水和水として取り込まれ、かつ発熱反応により蒸発します。 通常、発熱反応による温度上昇は、ある程度の領域でとどまりますが、地下水・湧水および雨水が溜まっている箇所などに、ある一定量以上の生石灰を散布すると、急激に消化吸水反応が起こり高熱の水蒸気が発生、噴出して極めて危険な状況になるので注意が必要です。その際に、吹き上がった水蒸気とともに、生成された消石灰粒子(酸化カルシウムと水が反応して生成)と土粒子が舞い上がり、周囲に飛散する場合があります(巻き上げ粉塵の発生)。巻上げ粉塵を防止するため、以下の点に注意して施工する必要があります。 ① 固化材の散布に先立ち、ブルドーザ、モーターグレーダなどで不陸整正を行い、轍やくぼみがないようにする ② 散布後、直ちに混合→整正→仮転圧までの作業を同時作業の手順で速やかに行う ③ 低地で地下水位の高いときや地山に湧水がある場合および降雨時に雨水の侵入が予想される場合は、素掘り側溝や釜場の設置など仮排水路を設け、水切り・ばっ気などの事前処理を講じておく必要がある。 ④ 固化材添加量が多くなる(概ね100 ㎏ /m3以上)と想定される場合には、生石灰複合系固化材、石灰・セメント複合系固化材への 切り替えも検討してください。また、現地土の試料と配合設計時の試料と大きな差がある場合には、固化材添加量の再検討を行う必要があります。 その他の留意点として、現場施工において固化材の過剰添加や混合不足の場合、結合水(化合水)の不足による固化不良が起こる可能性があります。固化不良を起こした場合、図-2(1) 発熱反応に伴う温度上昇の一例(通常時) 図-2(2) 発熱反応に伴う温度上昇の一例(極端時) - 7 -

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